オーケストラが来て生の演奏をきかせてくれる、というお知らせをこどもが小学校からもらってきた。
指揮者の名前を見て仰天した。
私の高校の時の音楽の先生であり、部活の顧問だった人じゃないの。
なんて奇遇!
よりによって、なんでこんな辺ぴな小学校にプロのオーケストラが演奏しに来てくれたんだろう?
ただでさえ生の演奏は聴きたくてたまらないし、先生元気かなというのもあって、仕事を休んでいそいそと聴きに行った。(保護者も観覧OKにしてくれて良かった)
決して子どもが好きって感じじゃなさそうなんだけど、子どもに対しても高い水準で音楽を学ばせ、楽しもうとさせる先生だった。
それを、30年近く経ってもずっと続けておられるんだということを目の当たりにした。
1曲目に演奏したのが、威風堂々。
泣きそうになったわ。
威風堂々良い曲過ぎるよね。
重低音が鳥肌たつんだ。
いいなあ、こうして大人数で演奏したいなぁ。
吹奏楽が強い高校だったのでそこを選んだ。
なのに、大会で補欠になっちゃって、腐って1年も経たないで辞めてしまった。私があまりに幼かった。
けど、その1年足らずの吹奏楽部での経験は、多分今でもずっと私の芯に入ってると思う。
音を楽しむことを、それまで経験してきたよりもひとつ深い階層で教わったと思う。
3年間続けてたら良かったと、私の人生の大きな後悔の1つ。
しようと思えば出来たのに、ご挨拶する気になれなかったのは、それがまだ私の中で燻ってるからだろう。
ほとんど直接関わってないから、先生は私の事は確実に覚えてないと思うけど、ありがとうと言ったらよかっただろうか。
聴いてる間、やけに姿勢よく座ってる自分に気付く。
「椅子に座る時、背筋を伸ばして浅く腰掛けるのが、実はいちばん楽な姿勢なんですよ」
先生の音楽の話はたいして思い出せないのに、その言葉はずっと覚えてるんよ。ハハ。